英語教育 2015 1 11

書名 毎日つぶやく 英会話「1秒」レッスン
著者 清水 建二  成美文庫

 ネイティブスピーカーとのマンツーマンによる英会話練習が、
英会話上達の近道であることは、言うまでもないでしょう。
 しかし、そんな恵まれた環境にある人は、
そう多くないでしょう。
 お金がなくても、英語を上達させることができる。
そういう思いがこもった本と言えるでしょう。
 とかく、富裕層は、優秀な教育が受けられると思って、
息子や娘を私立学校に通わせているのでしょうが、
それでは、所得格差が固定化されてしまいます。
庶民の家庭では、私立学校に通わせることは難しいからです。
 安くても、高度な教育が受けられる。
そういう教育システムを目指すべきです。
 英語教育の本というと、
たいてい専門家や大学教授が書いていますが、
この本は、公立高校(県立高校)の先生が書いたのです。
著者は、すでに英語教育関係の著書を30冊以上書いています。
 さて、日本人が苦手なのは、
「a」と「the」の使い方がわからないということでしょう。
 これについては、毎日1分経済英語で有名な八木翼氏が、こう書いています。
(1) I want a dog.
(2) I want the dog.
 この二つの英語は、
日本語にすると、両方とも、同じになってしまいますが、
英語では、意味することが大きく違います。
 (1)は、犬ならば何でもいいのです。
野良犬でも、小型犬でも、大型犬でも、
とにかく犬がほしいという意味です。
 (2)は、ほしい犬の犬種が決まっているのです。
それは、柴犬かチワワか、この文からはわかりませんが、
ほしい犬が明確に決まっているのです。
つまり、「the」は、「これしかない!」という、
強い限定のニュアンスがあるのです。
「the」の基本的な感覚は、スポットライトを当てることです。
 感覚としては、名詞に「a」と「the」がついているのではなく、
「a」と「the」に、名詞をつけるという感覚です。
(引用、以上)
 英語は、外国語の中で比較的簡単な言語です。
日本人にとって、ドイツ語やフランス語、ラテン語と比べると、
英語は、習得が楽な言語です。
だから、誰でも得意な言語になるはずです。
 しかし、そうならないのは、教え方が下手だからです。
実は、私も、高校生の頃、英語の授業が退屈で、つまらなかったのです。

就職活動 2014 12 28

書名 英語もできないノースキルの文系はこれからどうすべきか
著者 大石 哲之  PHP新書

 ニュースでは大学生の就職難が伝えられることが多いと思います。
これは、日本だけではなく、アメリカや欧州、中国でも、そうでしょう。
 しかしながら、大学生が就職できないのは、
ある意味で、自然なことです。
 「私には、こういう技能がある。こういう経験がある。
だから、私を雇ってくれ」というのは理解できますが、
「私には、何の技能もなく、何の経験もない。
しかし、私を雇ってくれ」というのでは、
会社を脅迫しているようなものです。
 そもそも、会社は、同好会やサークル活動ではありません。
確かに、大学に入学して、
どこの同好会も入会を認めてくれなかったというのでは、
それは、大変なことです。
 しかし、会社は、慈善事業ではなく、
利益を求めて、激しい競争の中を生き抜く組織です。
だから、会社は、いつも「戦力」を求めています。
そういうわけで、就職できない大学生がいても、自然なことです。
 さて、外国では、就職事情は、どうなっているのか。
この本から、引用しましょう。
「世界的常識では、ノースキルの文科系学生は、無職で当たり前」
 欧米・香港・シンガポールなどの国の常識では、
「英語もろくにしゃべれないノースキルの文科系学生が、
大学を卒業しただけで職を得られること自体、ありえない」ということです。
 欧米で文学部や社会学部・政治学部などの文系の学部を卒業して、
さらに実務経験のない新卒は、
まず、間違いなく100%仕事がありません。
 そういう学部に入る時点で、
何か特別なことをしない限り、
ただ卒業しても仕事がないのは、
当たり前すぎる常識で、
誰も疑問をはさまないことです。
 だから、文学部や政治学部、人類学や社会学・哲学などの学部に入るというのは、
よっぽど物好きと考えられています。
もしくは、仕事をしなくても食べていける金持ちの子供だろうかと思われるのです。
 学校を卒業して仕事が欲しければ、
コンピュータサイエンスやエンジニアリング、ファイナンスや法律を学ぶのが普通です。
(以上、引用)
 もうひとつ、引用しましょう。
これが、ひとつの解決策となるかもしれません。
 アメリカは、新卒が、いきなり大企業の安定した仕事につけることは、あまりありません。
最初は、小さな企業や無給のインターンから始めて、
職業上のスキルや経験を積んで、
そこから、もう一度MBAやロースクールなどの社会人大学に入り直して、
ようやく大きな企業で、まともなポジションが得られるのです。
 アメリカは、実力主義で、
新卒採用というものが、そもそもないので、
新卒といえども、中途採用の転職者と同じ土俵で戦っています。
 普通にやったら経験がある転職者に勝てない。
だから、まずはインターンをしたり、
経験が積める仕事を、賃金が安くても手伝ったりして、
自分の実績を作っていくのです。
(以上、引用)
 世界の常識からすると、
日本の就職活動は、「甘い」と言わざるを得ません。
採用する会社の方も、「将来に対して楽観的」と言えるでしょう。
まるで、学生も会社も、浪花節の世界を生きているようなものです。
 それでも、日本企業が世界で大企業となることができたのは、
団塊の世代をはじめとする大先輩たちが、
寝食を忘れて猛烈に働いてきたからです。
 今の現役世代は、
そうした大先輩たちの「貯金」を取り崩して生きているようなものかもしれません。
 日本では、今、会社は、
年末年始という「冬休み」に入りました。
この機会を利用して、大先輩たちの「武勇伝」を聞いたらどうでしょうか。
 日本企業は、そういう「武勇伝」を作るような戦いがあったからこそ、
世界で勝利してきたのです。







































































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